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3月 29, 2017
オハイオ州立大学の研究者らは、ビタミンEの補給を増やすことで、メタボリックシンドローム患者に有益な効果をもたらす可能性があることを発見した。 メタボリックシンドロームは多くの人に共通する症状で、肥満、高脂血症、慢性的な低悪性度炎症などを特徴とする。
メタボリックシンドローム(MetS)は、肥満、高脂血症、慢性的な低級炎症、インスリン不感受性、高インスリン血症、高血圧を特徴とし、多くの人に共通する病態である。 MetSは、2型糖尿病1 および非アルコール性脂肪性肝疾患2 の発症リスクを高める。 非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)は、MetSの人によくみられ、肝細胞への脂肪浸潤、炎症、酸化ストレス、肝細胞傷害を特徴とする。 NASHは、肝硬変、肝細胞癌に進行し、最終的には死に至る。 NASH患者では、脂質に対する過酸化損傷が増加することが知られている3, このことは、ビタミンEの必要量が増加する可能性を示唆している。
肝臓はビタミンEの生物学的利用能に重要な役割を果たしており、ビタミンEの恒常性は、α-トコフェロール転移タンパク質(α-TTP)の機能として、ビタミンEの非α-トコフェロール型が優先的に代謝され、α-トコフェロール型が優先的に血漿中に分泌される異化作用によって維持されている。 この異化作用の過程で、カルボキシエチルヒドロキシクロマノール(α-CEHC)は、ビタミンEの異化作用の際に、その前駆体であるα-カルボキシメチルブチルヒドロキシクロマノール(α-CMBHC)から合成される。おそらく、肝臓のα-TTPのα-トコフェロール分泌能を超えると、α-CEHCとα-CMBHCの濃度が上昇すると考えられる。
オハイオ州立大学( )の研究者らは、MetSによってビタミンEの生物学的利用能がどの程度変化するかを明らかにするため、MetS患者10人と健常対照者10人を対象に、クロスオーバーデザイン試験で4種類の牛乳に安定同位体(重水素)標識したα-トコフェロールを投与し、血漿中および尿中のα-CEHCとα-CMBHC濃度を測定した。 被験者は試験日の3日前から5mgのα-トコフェロールを摂取し、朝食時に15mgの標識α-トコフェロールを摂取した。
オハイオ州立大学の研究者ら4は、MetS患者では尿中の非標識α-CEHCの排泄が41%少なく、標識α-CEHCが63%、標識α-CMBHCが58%少ないことを明らかにした。 標識ビタミンE15mgの急性投与後数時間の曲線下面積(AUC)を測定したところ、MetS患者では健常対照群に比べ標識α-CEHC分解産物が少ない(52%)ことも示された。
The lower response to supplementation in the MetS group compared to the healthy control group indicated that the MetS patients had decreased vitamin E catabolism, which the authors speculate was due to MetS patients having lower vitamin E status than healthy controls, despite the fact that they had similar plasma α-tocopherol concentrations. The MetS patients also had higher plasma concentrations of inflammatory markers (C-reactive protein) and interleukins (IL-10 and IL-6) and blood lipids (impaired cardiometabolic health) suggesting that the lower vitamin E turnover in MetS patient may be caused by increased oxidative and inflammatory stressors. The higher circulating lipid level (hyperlipidemia) and slow vitamin E turnover are believed to be the reason that MetS patients appeared to have similar vitamin E status because their plasma vitamin E concentration was artificially elevated due to hyperlipidemia. また、MetS患者の脂肪肝が正常な肝性α-トコフェロールおよびα-CEHCの輸送を妨げている可能性も示唆された。 あるいは、本研究では測定されなかったビタミンE代謝産物の糞便中損失が増加している可能性もある。 原因はともかく、本研究の結果は、標識および非標識ビタミンE代謝産物の排泄量の低下から、MetS患者は健常対照群よりもビタミンE状態が低いことを示している。
1. Salminen M. et al 改訂国際連合基準によるメタボリックシンドロームと2型糖尿病リスク:フィンランドの高齢者における9年間の追跡調査。 Diab. Vasc. Dis. Res. 10:11-16.
2. Yki-Jarvinen H. 2014. メタボリックシンドロームの原因および結果としての非アルコール性脂肪性肝疾患 Lancet Diabetes Endocrinol 2:901-910.
3.永田和彦ら、2007年、非アルコール性あるいはアルコール性脂肪性肝炎による肝障害の進展における共通の発症機序、J Toxicol Sci 32:453-468。
4.Traber M et al メタボリックシンドロームは、尿中および血漿中ビタミンE異化物を用いて評価した食事性α-トコフェロール要求量を増加させる:二重盲検クロスオーバー臨床試験. American Journal of Clinical Nutrition 2017 doi: 10.3945/ajcn.116.138495. [Epub ahead of print].
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